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近畿圏の中古マンション成約、3四半期連続で減少 大阪市の成約価格は44四半期ぶりに下落

近畿レインズが公表した2026年7〜9月期の近畿圏中古住宅市場動向。中古マンションの成約件数は4,342件で3四半期連続の減少、成約価格は3,143万円で5四半期ぶりに下落し、大阪市は44四半期ぶりの下落。一方、売り出し価格は上昇が続いています。購入検討者にとっての意味を整理します。

結論:中古マンションの成約は3四半期連続で減少、成約価格は弱含み、売り出し価格は上昇中

公益社団法人近畿圏不動産流通機構(近畿レインズ)は2026年10月20日、近畿2府4県(大阪・兵庫・京都・滋賀・奈良・和歌山)の2026年7〜9月期の中古住宅市場動向を公表しました[1]。中古マンションの成約件数は4,342件で前年同期比10.7%減と3四半期連続の減少。平均成約価格は3,143万円で2.0%下落し、5四半期ぶりの下落となりました。一方、新規登録(売り出し)価格は3,679万円で13.4%上昇し、2023年1〜3月期から15四半期連続で上昇しています[1]。

ひとことで言えば、売主の希望価格は上がり続けているのに、実際の成約は件数も価格も下がっており、売り手と買い手の価格感のずれが広がっているということです。

近畿圏 中古マンションの主な数字

  • 成約件数は4,342件(−10.7%)で3四半期連続の減少。新規登録件数は18,342件(+6.3%)で3四半期ぶりの増加。9月末の在庫件数は22,065件(+3.3%)で4四半期ぶりの増加[2]。
  • 成約㎡単価は46.55万円/㎡(−1.5%)で、2020年1〜3月期以来26四半期ぶりの下落。前期比でも3.5%下落[2]。
  • 成約価格は3,143万円(−2.0%)で、前期比でも4.4%下落。成約物件の平均専有面積は67.53㎡、平均築年数は29.05年[2]。
  • 新規登録㎡単価は57.17万円/㎡(+12.6%)、在庫㎡単価は58.14万円/㎡(+20.8%)、在庫価格は3,707万円(+21.1%)[2]。

成約価格が下がる一方で売り出し価格と在庫価格が上がっているのは、少なくない売主がこれまでの相場感で値付けをしている一方、買主がその価格をそのまま受け入れなくなった結果、成約が減り、在庫が積み上がっていると読めます。

大阪市:成約価格が44四半期ぶりに下落

エリア別では、対象12地域のうち8地域で成約件数が減少し、神戸市を除く7地域は2桁の減少でした。大阪市と京都市は3四半期連続の減少、神戸市は10四半期ぶりの減少です[2]。成約価格は6地域で下落し、下落エリアは前期より4地域増加。このうち大阪市は2015年7〜9月期以来44四半期ぶり、大阪府南部は5四半期ぶりの下落となりました[2]。

大阪市の中古マンション成約件数は1,190件(−14.0%)。成約㎡単価は71.58万円/㎡(−3.6%)、成約価格は4,294万円(−4.0%)で、前期の4,523万円から5.0%下落しました。成約物件の平均専有面積は60.00㎡、平均築年数は25.70年です[2]。

大阪府内のほかのエリアは動きが分かれています。北部(豊中・吹田・高槻など)は成約501件(−12.1%)、価格3,211万円(−3.4%)。東部(東大阪・枚方など)は成約295件(+0.3%)、価格2,314万円(+6.8%)で4四半期連続の上昇。南部(堺市以南)は成約322件(+1.3%)、価格1,880万円(−8.4%)でした[2]。

大阪市はここ数年、近畿圏で最も値上がりが目立ったエリアだけに、成約価格の反落は注目に値します。ただし四半期ごとの数字は成約した物件の構成(築年数・面積・区)に左右されやすく、ひとつの四半期の下落だけでトレンド転換と断定することはできません。

中古戸建も減速

中古戸建住宅の成約件数は3,370件(−2.4%)で、2022年10〜12月期以来15四半期ぶりの減少。新規登録件数は13,977件(+5.7%)で15四半期連続の増加。成約価格は2,360万円(−1.0%)で2四半期ぶりの下落。9月末の在庫件数は20,747件(+6.4%)で17四半期連続の増加です[1]。大阪市の中古戸建は成約259件(−11.9%)、成約価格3,822万円(+3.1%)でした[2]。

なぜ「売り出し価格は上昇、成約価格は下落」になるのか

近畿レインズはプレス資料で、売り出し価格と成約価格の乖離が続いていること、日銀の利上げと長期金利の高止まりが見込まれ、住宅ローン金利が変動型・固定型を問わず上昇傾向にあること、近畿圏の中古住宅取引が減速していることを指摘しています[1]。さらに、実需層向けの物件では金利がさらに上がれば価格調整が進む可能性があり、今後はエリアや物件属性による選別が強まり、需要を踏まえた値付けの重要性が高まるとの見方を示しています[1]。

仕組みとしては、ローン金利の上昇は買主の借入可能額と月々の返済負担に直結し、買主が出せる上限価格を押し下げます。一方、売主の希望価格は相場に遅れて動きやすく、直近の成約事例や近隣の売り出し価格を基準にしがちです。両者の期待がずれると、売り出し価格は上がり続け、成約価格は下がり、在庫が増えるという形で表れます。

購入を検討する方にとっての意味

1. 売り出し価格は「下限」の目安ではなくなりました。 成約価格の平均は売り出し価格の平均をかなり下回っており、交渉の余地が広がっています。検討する際は、同じ建物や同じエリアの直近の成約事例を基準にし、売り出し価格だけで判断しないことが大切です。

2. 売り出しが増え、在庫が積み上がり、選べる物件が増えています。 昨年のように急いで決める必要は薄れており、複数の物件を比較して、管理状況、修繕積立金、築年数、向きなどを含めて検討できます。

3. エリア間の差が広がっています。 大阪市の成約価格が下落する一方で大阪府東部は上昇が続くなど、エリアや築年数によって動きは一様ではありません。価格が妥当かどうかは、近畿圏の平均ではなく、その物件が属する細かい市場で判断する必要があります。

4. 最大の変数は金利です。 近畿レインズも住宅ローン金利上昇の影響を特に挙げています。ローンを利用する方は、現在の金利だけでなく金利がさらに上がった場合の返済額を試算しておくこと、現金で購入する方も将来売却する際の買主の資金調達環境を考えておくことをおすすめします。

まとめ

2026年7〜9月期の近畿圏中古マンションは、成約件数が3四半期連続で減少し、成約㎡単価は26四半期ぶり、大阪市の成約価格は44四半期ぶりに下落した一方、売り出し価格は上昇を続け、在庫は増加に転じました[1][2]。市場は売主主導の局面から、売主と買主が価格をすり合わせる局面へ移りつつあります。大阪市内の中古マンションをご検討中の方は、お気軽にご相談ください。個別の建物の成約事例や管理資料をもとに、売り出し価格が妥当かどうかの判断をお手伝いします。

出典

  1. 公益社団法人近畿圏不動産流通機構(近畿レインズ)「近畿圏不動産流通市場の動向について(2026年7~9月期)プレス発表資料」2026年10月20日(閲覧 2026年10月27日)
  2. 公益社団法人近畿圏不動産流通機構(近畿レインズ)「市況トレンド「2026年7~9月期の近畿圏市場」(Quarterly Summary Report 2026.7-9)」2026年10月20日(閲覧 2026年10月27日)

本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、投資・税務・法律上の助言ではありません。数値は末尾の出典の公表時点のものであり、その後変わる可能性があります。個別のご判断は専門家にご相談ください。

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