近畿圏の新築マンション、上半期平均6,010万円で過去最高 9月の発売は半減
不動産経済研究所の2026年度上半期(4〜9月)近畿圏新築マンション市場動向。平均価格は6,010万円で過去最高を更新した一方、発売戸数は減少し、契約率は4年ぶりに70%を割り込みました。9月単月の発売は前年同月比で半減。購入検討者にとっての意味を整理します。
結論:新築マンションの平均価格は過去最高、ただし発売戸数と契約率は弱含み
不動産経済研究所は2026年10月20日、近畿圏(大阪府・兵庫県・京都府・奈良県・滋賀県・和歌山県の2府4県)の2026年度上半期(4〜9月)新築分譲マンション市場動向を公表しました[1]。1戸当たりの平均価格は6,010万円で前年同期比8.4%上昇し、1973年の調査開始以来の最高値を2年連続で更新。㎡単価は105.0万円で11.2%上昇しました[1]。一方、発売戸数は6,557戸で前年同期比8.6%減と3年ぶりの減少。平均初月契約率は69.3%で前年同期比2.6ポイント低下し、4年ぶりに70%を割り込みました[1]。
ひとことで言えば、価格は上がり続けているものの、新築の売れ行きは以前ほど速くないということです。
上半期の主な数字
- 発売戸数は6,557戸で、2010年代の平均(10,047戸)を大きく下回りました[1]。
- 投資用を除くと4,946戸で、前年同期比8.1%減[1]。
- 平均価格6,010万円は前年同期より467万円高く、㎡単価105.0万円は上半期として5年連続で最高値を更新[1]。
- 販売在庫(未完成の販売中住戸を含む)は3,007戸で、2025年9月末の2,907戸から100戸増加[1]。
- 大阪市部:発売2,372戸(7.3%減)、契約率76.0%、平均価格6,388万円(22.8%上昇)、㎡単価131.8万円(15.0%上昇)[1]。
大阪市部の契約率は近畿圏平均を上回っており、都心の新築には引き続き買い手がいることがわかります。ただし平均価格は1年で2割以上上がっており、購入のハードルは明らかに高くなっています[1]。
9月単月:発売は半減、平均価格は急上昇
同日公表された9月単月の数字はさらに極端です。近畿圏の発売戸数は752戸で、前年同月の1,492戸から49.6%減少し、1973年の調査開始以来9月として最低水準。平均価格は7,075万円で37.6%上昇、㎡単価は115.0万円で19.7%上昇。契約率は62.6%で、8月の67.3%に続き2カ月連続で70%を下回りました[2]。9月の発売戸数に占める大阪市部のシェアは17.7%でした[2]。同研究所は10月の発売戸数を1,300戸程度と見込んでおり、9月末の完成在庫(竣工済みの未販売住戸)は1,395戸です[2]。
単月の数字は大型物件の発売時期に大きく左右されるため、そのまま傾向と見るべきではありません。ただ、「供給が少ない・価格が高い・契約率が低い」という3つが同時に起きている点は注目に値します。
なぜ「価格上昇・供給減少」になるのか
新築マンションの販売価格は、土地代、建築費、そして事業者が見込む利益で決まります。土地代や建築費が上がる局面で、事業者が値下げに踏み切ることはまれで、発売を減らしたりペースを落としたりして市場の消化を待つのが一般的です。これが発売戸数減少の一因です。
平均価格は商品構成にも左右されます。投資用の小型住戸が多ければ平均は下がり、都心の広い住戸や高層物件が集中すれば平均は上がります。上半期は投資用を除いた発売戸数も減っており、実需向けの供給も細っていることがうかがえます[1]。
契約率は「発売した月のうちに売れた割合」で、一般に7割が需給の目安とされます。契約率の低下は、現在の価格水準ですぐに契約する買い手が減っていることを意味します。
購入を検討する方にとっての意味
1. 新築価格は中古価格の基準になります。 同じエリアの新築平均が上がると、中古マンションの売り出し価格もつられて上がりやすくなります。中古を検討する方にとって、新築のデータは売主の心理的な価格水準を知る手がかりです。
2. 契約率の低下は、交渉余地が生まれつつあるサインかもしれません。 新築の売れ行きが鈍ると、事業者は値引きやオプションのサービス、販売期間の延長で在庫を消化しようとします。中古でも、売却を急ぐ売主は価格交渉に応じやすくなります。こうした変化は郊外や供給が集中したエリアから先に現れることが多く、都心の人気物件が同じ動きをするとは限りません。
3. 平均価格は、購入する住戸の価格そのものではありません。 月ごとの平均価格は発売された物件の顔ぶれで大きく変動します。個別の物件は、同じ建物や近隣の類似物件の成約事例で判断することが大切です。
4. 上昇局面を追いかけず、下落を決めつけない。 金利、為替、建築コスト、インバウンド需要など、相場を変える要因は多くあります。保有期間、ローン条件、用途(自住・賃貸・その両方)を踏まえて判断することをおすすめします。
まとめ
2026年度上半期の近畿圏新築マンションは、平均価格が過去最高を更新する一方で、発売戸数が減少し、契約率は70%を割り込み、9月単月の発売は前年同月比で半減しました。市場は「量も価格も伸びる」局面から「価格は上がるが供給は細る」局面へ移りつつあります[1][2]。大阪市内のマンションをご検討中の方は、お気軽にご相談ください。個別物件の成約事例や管理資料をもとに、売り出し価格が妥当かどうかの判断をお手伝いします。
出典
- 株式会社不動産経済研究所「近畿圏新築分譲マンション市場動向 2026年度上半期(2026年4月~9月)」2026年10月20日(閲覧 2026年10月26日)
- 株式会社不動産経済研究所「近畿圏新築分譲マンション市場動向 2026年9月度」2026年10月20日(閲覧 2026年10月26日)
本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、投資・税務・法律上の助言ではありません。数値は末尾の出典の公表時点のものであり、その後変わる可能性があります。個別のご判断は専門家にご相談ください。
