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国交省・9月の住宅着工:近畿圏の分譲マンションは32.5%減、大阪府は12.8%減——新築供給をどう読むか

国土交通省が10月30日に公表した9月の建築着工統計。全国の新設住宅着工は61,826戸で前年同月比2.7%減と6か月ぶりの減少、分譲マンションは21.2%減、近畿圏は32.5%減、大阪府は12.8%減。ただし4〜9月累計では大阪府は5.3%増、京都府の供給は明らかに少ない。購入検討者にとっての意味を整理します。

結論:全国の新設住宅着工は6か月ぶりの減少、近畿圏の分譲マンションは単月で3割減——ただし累計で見ると大阪府は弱くない

国土交通省は2026年10月30日、2026年9月分の建築着工統計調査報告を公表しました。9月の全国の新設住宅着工戸数は61,826戸で前年同月比2.7%減、6か月ぶりの減少となり、季節調整済年率換算値は714千戸で前月比5.2%減、3か月連続の減少です[1][2]。利用関係別では持家、貸家、分譲住宅がいずれも減少し、なかでも分譲マンションは4,825戸で前年同月比21.2%減と、最も大きく落ち込みました[2]。近畿圏の分譲マンション着工は942戸で32.5%減、大阪府は673戸で12.8%減です[2]。ただし単月の数字は前後の月に大型プロジェクトの着工が集中したかどうかに大きく左右されます。8月の近畿圏の分譲マンション着工は前年同月比61.9%増でしたし、4〜9月の累計では近畿圏が2.8%減、大阪府はむしろ5.3%増です[2]。

この統計は何か

建築着工統計調査は国土交通省が毎月まとめる統計で、全国の建築物の着工動態を明らかにし、建築・住宅政策の基礎資料を得ることを目的としています。毎月末に前月分を公表し、2026年9月分は10月30日14時に公表、10月分は11月30日に公表予定です[3][2]。集計されるのは「着工」、つまり建築確認を受けて実際に工事に着手した住宅の戸数で、竣工でも発売でもありません[3]。

新設住宅は利用関係により、持家(建築主が自ら居住)、貸家(賃貸用)、給与住宅(社宅など)、分譲住宅(建て売り・分譲)の4つに分けられます。分譲住宅はさらに分譲マンションと分譲一戸建に分かれ、ここでいう「マンション」は、利用関係が分譲住宅、建て方が共同住宅、構造が鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造・鉄骨造の住宅と定義されています[2]。モデルルームで目にする新築マンションは、おおむね1〜2年前にこの区分で着工した物件です。

9月の全国・都市圏別の主な数字

9月の全国の利用関係別の数字は次のとおりです。持家17,648戸(前年同月比3.4%減)、貸家28,046戸(1.6%減)、分譲住宅15,688戸(4.5%減)。分譲住宅のうち分譲マンションは4,825戸(21.2%減、5か月ぶりの減少)、分譲一戸建は10,687戸(6.1%増、6か月連続の増加)です[2]。分譲住宅に占めるマンションの割合は30.8%にとどまり、直近1年の各月で最も低い水準です[2]。

下表は三大都市圏とその他地域の9月の着工戸数と前年同月比です[2]。

地域 総戸数 持家 貸家 分譲マンション 分譲一戸建
首都圏 22,945(−0.3%) 3,956(−1.3%) 11,454(−2.6%) 2,452(−1.8%) 4,796(+7.3%)
中部圏 6,690(−3.4%) 2,596(−2.6%) 2,366(−2.4%) 389(−27.3%) 1,262(−2.0%)
近畿圏 9,994(−8.1%) 2,417(−6.8%) 5,009(−8.3%) 942(−32.5%) 1,523(+8.9%)
その他地域 22,197(−2.5%) 8,679(−3.6%) 9,217(+4.2%) 1,042(−38.4%) 3,106(+6.6%)

首都圏は埼玉・千葉・東京・神奈川、中部圏は岐阜・静岡・愛知・三重、近畿圏は滋賀・京都・大阪・兵庫・奈良・和歌山です[2]。分譲マンションの着工は三大都市圏以外と近畿圏、中部圏で大きく減少した一方、分譲一戸建は中部圏を除いて増加していることがわかります[2]。

近畿圏と大阪府:単月は大幅減、ただし累計で見る

近畿圏の9月の総着工は9,994戸で前年同月比8.1%減と、4地域のなかで最も減少幅が大きく、持家・貸家・分譲住宅はそれぞれ6.8%減、8.3%減、12.0%減でした[2]。府県別では、大阪府が5,150戸で1.3%減。内訳は持家810戸(0.2%増)、貸家2,991戸(1.3%増)、分譲住宅1,343戸(7.7%減)、うち分譲マンション673戸(12.8%減)、分譲一戸建670戸(1.0%減)です[2]。京都府は1,382戸で24.7%減、分譲マンションはわずか122戸で75.4%減。兵庫県は2,158戸で4.8%減ですが、分譲マンションは147戸で14.8%増、分譲一戸建は485戸で32.2%増でした[2]。

分譲マンションの着工はプロジェクト単位で計上されるため、大型案件が1件動くだけで単月の数字が倍になります。前後の月や累計と合わせて見る必要があります。近畿圏の分譲マンション着工は8月が2,499戸で前年同月比61.9%増、うち大阪府が1,758戸で73.9%増でしたが、9月はそれぞれ942戸と673戸にとどまりました[2]。2026年4〜9月の累計では近畿圏が9,242戸で2.8%減、大阪府が6,140戸で5.3%増。同期間の三大都市圏合計は30,766戸で6.2%増、うち首都圏は18,233戸で18.7%増です[2]。2026年1〜9月では近畿圏が14,128戸で9.0%減、大阪府が8,453戸で4.1%減でした[2]。

年度で見ると、全国の分譲マンション着工は2025年度(2025年4月〜2026年3月)が82,881戸で前年度比21.2%減、近畿圏は22,507戸で4.7%減、大阪府は14,260戸でむしろ6.4%増でした[2]。全国の新築マンション供給が大きく縮んだ年に、大阪府は着工を維持どころか増やした数少ない地域の一つだったことになります。

2025年春の基数効果にも注意が必要です。全国の総着工は2026年3月が前年同月比29.3%減、5月が33.9%増と振れており、この規模の変動は主に1年前の同じ月が特殊な水準だったことによるものです。傾向を見るには累計か季節調整値を使うのが適切です[2]。

購入検討者にとっての意味

第一に、今日の着工が1〜2年後の新築供給を決めます。 近畿圏の分譲マンション着工は1〜9月累計で前年より9.0%少なく、2027年前後の近畿圏の新築マンションの販売物件数が今より増える可能性は低いといえます[2]。新築を検討している方にとっては選択肢が急には広がらないということであり、近年竣工したマンションをお持ちの方にとっては、同種の新規供給が限られるということです。

第二に、大阪府と京都府では事情が異なります。 大阪府の分譲マンション着工は4〜9月で前年より5.3%多く、2025年度も6.4%増と、新規プロジェクトが引き続き市場に出てきています。一方、京都府は9月の着工がわずか122戸で、1〜9月の供給も明らかに少ない状況です[2]。京都市内で新築マンションを探す場合、選べるプロジェクトは大阪よりはるかに少なく、中古マンションや新築一戸建のほうが現実的な選択肢になります。

第三に、分譲一戸建は増えています。 全国の分譲一戸建は6か月連続の増加で、近畿圏は9月に8.9%増、兵庫県は32.2%増でした[2]。建築費が上昇するなか、デベロッパーはより多くの資源を一戸建に振り向けています。予算に限りがあり、かつ郊外に住みたいご家庭は、新築一戸建と中古マンションを並べて比較する価値があります。

第四に、着工と価格は別物です。 着工の減少は供給側の縮小を示しますが、価格は需要、金利、建築費にも左右されます。日本銀行は10月30日に政策金利を据え置きましたが、利上げを続ける姿勢を示しています[4]。新築マンションの平均価格はすでに高水準にあり、供給が少ないことが自動的に「買い時」を意味するわけではありません。個別の物件は、立地、管理計画、そして総額がご自身の返済能力の範囲内かどうかで判断する必要があります。

まとめ

国土交通省の2026年9月分建築着工統計によると、全国の新設住宅着工は61,826戸で前年同月比2.7%減と6か月ぶりの減少、分譲マンションは4,825戸で21.2%減、近畿圏の分譲マンションは942戸で32.5%減、大阪府は673戸で12.8%減でした[1][2]。単月の減少幅は大きく見えますが、4〜9月の累計では近畿圏は2.8%減にとどまり、大阪府は5.3%増、2025年度の大阪府も6.4%増でした。大阪の新築マンション供給は比較的安定している一方、京都は明らかに少なく、分譲一戸建は全国的に増えています[2]。大阪や京都で新築マンション、中古マンション、一戸建をご検討の方は、お気軽にご相談ください。各区の建設中・販売予定プロジェクトの状況を踏まえ、物件タイプごとの供給と価格の比較をお手伝いします。

出典

  1. 国土交通省 総合政策局情報政策課建設経済統計調査室「建築着工統計調査報告(令和8年9月分)について(報道発表資料)」2026年10月30日(閲覧 2026年11月1日)
  2. 国土交通省 総合政策局情報政策課建設経済統計調査室「建築着工統計調査報告 令和8年9月分 記者発表資料(PDF)」2026年10月30日(閲覧 2026年11月1日)
  3. 国土交通省「建築動態統計調査(建築着工統計調査の目的・公表予定)」2026年10月30日(閲覧 2026年11月1日)
  4. 日本銀行「当面の金融政策運営について(2026年10月30日)」2026年10月30日(閲覧 2026年11月1日)

本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、投資・税務・法律上の助言ではありません。数値は末尾の出典の公表時点のものであり、その後変わる可能性があります。個別のご判断は専門家にご相談ください。

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