← 記事一覧へ

固定資産税と都市計画税:マンション購入後に毎年かかる税金の仕組み

不動産を持つと毎年かかるのが固定資産税と都市計画税です。大阪市の例で、納税義務者、税率、住宅用地の特例、新築住宅の減額を整理し、マンションの試算例で年税額の目安を示します。

ひとことで言うと

不動産を買うと、管理費や修繕積立金のほかに、毎年2つの地方税がかかります。固定資産税と都市計画税です。市町村が決める「評価額」をもとに計算され、税率はそれほど高くありませんが、所有している限り毎年かかり、住宅用地や新築住宅には負担を軽くする仕組みがあります。ここでは大阪市を例に、この2つの税を整理します。

誰が納めるか:1月1日時点の所有者

固定資産税の納税義務者は、毎年の賦課期日(1月1日)現在、土地・家屋の所有者として登録されている人です[1]。都市計画税は、同じ日に大阪市内の市街化区域にある土地・家屋を所有している人が対象で、大阪市内の住宅はほぼこの範囲に入ります[1]。

ここで実務上のポイントがあります。年の途中で購入しても、その年の納税通知書は1月1日時点の所有者、つまり売主に届きます[1]。そのため中古物件の取引では、決済・引渡し時にその年の税額を引渡し日で日割りし、買主が自分の所有期間に当たる分を売主に支払う精算を行うのが一般的です。日割りの起算日は売買契約で決めるので、契約前に条項を確認しておくと安心です。

納付については、大阪市では毎年4月上旬に納税通知書が送られ、原則として4月・7月・12月・翌年2月の年4回に分けて納めます。1年分をまとめて納めることもできます[1]。海外にお住まいのオーナーは通知書を受け取れずに納期を過ぎてしまいやすいため、日本国内で納税管理人を定めて受け取りと納付を任せるのが一般的です。

計算の仕組み:評価額 × 特例 × 税率

基本は「課税標準額 × 税率」です。大阪市の固定資産税の税率は1.4%、都市計画税の税率は0.3%です[1]。課税標準額のもとになる評価額は市町村が決めるもので、購入価格ではなく、一般に取引価格よりかなり低くなります。土地と家屋の評価額は、3年に一度の基準年度にまとめて見直されます(評価替え)[1]。

毎年4月1日から第1期の納期限までは、資産のある区を担当する市税事務所で、同じ区内の他の土地・家屋の評価額を無料で縦覧でき、自分の評価が妥当かどうか比べることができます[1]。

住宅用地の特例:土地部分は大きく軽減

住宅が建っている土地には「住宅用地の特例」があり、課税標準額は評価額の一部だけで計算されます[2]。

区分 固定資産税 都市計画税
小規模住宅用地(住宅1戸当たり200㎡以下の部分) 評価額の1/6 評価額の1/3
一般住宅用地(住宅1戸当たり200㎡を超える部分) 評価額の1/3 評価額の2/3

特例は「住宅1戸ごと」に設定されます[2]。マンションの敷地は全戸で持分に応じて共有しており、1戸当たりの土地面積は通常200㎡を大きく下回るため、マンションの土地部分は一般に全体が小規模住宅用地の特例の対象になります[2]。実際の扱いは納税通知書の記載で確認してください。

新築住宅の減額:家屋部分は当初数年間半額

新築住宅が要件を満たす場合、家屋の固定資産税が減額されます。住宅部分120㎡までの税額が2分の1になり、都市計画税は減額の対象外です[3]。減額期間は、3階建て以上の耐火・準耐火住宅(マンションの多くが該当)が新たに課税される年度から5年間、それ以外の住宅が3年間です[3]。

床面積要件は新築の時期で異なります。2026年3月31日以前の新築は住宅部分50㎡以上280㎡以下(一戸建以外の賃貸住宅は40㎡以上)、2026年4月1日以後の新築は40㎡以上240㎡以下です[3]。マンションの廊下・階段・エレベーターホールなどの共用部分は、各戸の床面積の割合で按分して判定します[3]。

注意したいのは、減額期間が終わると家屋部分の税額は本来の水準に戻ることです。新築や築浅の物件を買うときは、減額があと何年残っているかを確認し、「半額の税額」を長期の保有コストと思い込まないようにしましょう。

試算例

大阪市内の専有面積75㎡のマンションで、土地持分の評価額が500万円、家屋の評価額が1,000万円だったと仮定します(説明用の数字で、実際の金額は納税通知書で確認してください)。上の税率と特例で計算すると次のとおりです[1][2]。

  • 土地・固定資産税:500万円 × 1/6 × 1.4% ≈ 11,667円[2]
  • 土地・都市計画税:500万円 × 1/3 × 0.3% = 5,000円[2]
  • 家屋・固定資産税:1,000万円 × 1.4% = 140,000円[1]
  • 家屋・都市計画税:1,000万円 × 0.3% = 30,000円[1]

合計は年約18.7万円、月に直すと約1.56万円です[1]。新築住宅の減額期間中であれば、家屋の固定資産税は半額の70,000円になり、合計は約11.7万円になります[3]。

この例から分かることは2つあります。第一に、マンションの税額の多くは家屋部分から来ており、土地は特例のおかげで比率が小さいこと。第二に、家屋の評価額は建物の経年とともに下がっていくため、同じ物件でも築年数が進むほど家屋部分の税額は低くなる傾向があることです。なお、土地の実際の課税標準額は、調整措置によって上の単純な計算より低くなる場合もあります。

買主にとっての意味

  1. 税金も保有コストに入れる。 物件を比べるときは、価格・管理費・修繕積立金に加えて、毎年の固定資産税と都市計画税も含めて考えましょう。確実なのは、仲介会社を通じて売主から直近の納税通知書や評価証明書を取り寄せることです。
  2. 決済時の精算を忘れない。 引渡し日に支払う費用には、通常その年の税額の日割り精算金が含まれます。資金計画で漏れのないようにしましょう。
  3. 新築は減額の残り年数を確認する。 減額が終わる年度には税額がはっきり上がります。自住でも賃貸でも収支計画に織り込んでおく必要があります。
  4. 海外在住なら納付方法を決めておく。 納税管理人の選任や支払い方法を前もって手配し、納期を過ぎて延滞金がかかることのないようにしましょう。

まとめ

固定資産税と都市計画税は、日本で不動産を持つ限りかかる「固定費」です。1月1日時点の所有者が納め、評価額に税率を掛けて計算し、住宅用地と新築住宅にはそれぞれ軽減措置があります[1]。気になる物件の年間の税額の目安を知りたい方は、お気軽にお問い合わせください。売主側の納税資料の確認や保有コストの試算をお手伝いします。

出典

  1. 大阪市「固定資産税・都市計画税の概要(償却資産の申告、縦覧制度、納付方法・納期限)」2026年4月1日(閲覧 2026年10月30日)
  2. 大阪市「住宅用地の課税標準の特例措置」2025年1月22日(閲覧 2026年10月30日)
  3. 大阪市「新築された住宅に対する固定資産税の減額措置」2025年4月1日(閲覧 2026年10月30日)

本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、投資・税務・法律上の助言ではありません。数値は末尾の出典の公表時点のものであり、その後変わる可能性があります。個別のご判断は専門家にご相談ください。

おすすめ物件

もっと詳しく知りたい方へ

記事の内容や個別の物件について、お気軽にお問い合わせください。

お問い合わせinfo@mitsuishi-inter.com