外国籍でも日本で住宅ローンは組める?永住許可の有無・就労ビザ・配偶者要件を整理
日本の住宅ローンで問われるのは国籍ではなく在留資格です。永住許可があれば日本人と同条件で、【フラット35】も主要銀行も利用できます。永住許可がない場合は、日本人または永住者の配偶者が連帯保証人になる方法と、永住権のない外国籍の方向けの専用商品があります。各金融機関の公開条件をもとに、三つの道筋と基準を整理します。
結論:銀行が見るのは「国籍」ではなく「永住許可」
日本で住宅ローンを組めるかどうかを分けるのは国籍ではなく在留資格です。多くの銀行と公的な【フラット35】は「日本国籍または永住許可」を申込条件にしています[1][2][3]。就労ビザなどそれ以外の在留資格の方には、配偶者が連帯保証人になる方法と、永住権のない外国籍の方向けの数少ない専用商品を選ぶ方法があります[4][5][6]。本稿では在留資格別に三つのケースに分け、各金融機関が公開している条件を整理し、永住許可がない場合に何を余分に準備すべきかを説明します。
永住許可がある場合:日本人と同じ条件
【フラット35】(住宅金融支援機構と民間金融機関が提携する長期固定金利の住宅ローン)の利用条件には、日本国籍の方、永住許可を受けている方、または特別永住者の方が申し込めると明記されています[1]。そのほかの主な条件は、申込時に満70歳未満であること、年収400万円未満なら全ての借入れの年間返済額が年収に占める割合が30%以下、400万円以上なら35%以下であること、借入額が100万円以上1億2,000万円以下、借入期間が15年以上35年以内、マンションの場合は床面積30平方メートル以上であること、そして本人または親族が居住する住宅であることで、第三者に賃貸する投資用物件は対象外です[1]。
三菱UFJ銀行の2026年10月1日現在の商品説明書も、日本国籍の方または永住許可を受けている外国籍の方を対象とし、借入時18歳以上70歳の誕生日まで、完済時80歳の誕生日まで、借入金額500万円以上3億円以内、借入期間2年以上40年以内、保証人は原則不要としています[2]。住信SBIネット銀行も、外国人は日本で永住許可を取得していることと、在留資格の記載がある所定の本人確認書類の提出を条件とし、借入時の年齢は満18歳以上満65歳以下、最終返済時は満80歳未満です[3]。SBI新生銀行は、永住許可を保有している外国籍の方は日本国籍の個人と同条件と明記しています[4]。
つまり永住許可を取得すれば、外国籍の方の住宅ローン申込みは制度上日本人と変わらず、その先は年収、勤続年数、信用情報、物件そのものといった通常の審査項目で判断されます。
永住許可がない場合:三つの道
一つ目:配偶者が日本人または永住者。 SBI新生銀行の申込条件では、申込人に永住許可がない場合、配偶者が日本国籍または永住許可を有し、かつその配偶者が連帯保証人になることが条件です[4]。それ以外は一般の申込人と同じで、借入申込時20歳以上65歳以下かつ完済時80歳未満、前年度税込年収300万円以上の正社員または契約社員、自営業は業歴2年以上かつ2年平均300万円以上の所得(経費控除後)、借入金額500万円以上3億円以下です[4]。
二つ目:永住権のない外国籍の方向けの専用商品。 東京スター銀行の「スター住宅ローン」は永住権をお持ちでない外国籍の方向けの商品で、正社員として日本での勤続年数1年以上で、税込年収400万円以上の方、または税込年収300万円以上で正社員かつ40歳以下の方(担保評価額等の条件あり)が申し込めます。会社役員・自営業の方は日本での営業が3期以上必要です[5]。融資金額は500万円以上1億円以内、融資期間は1年以上35年以内で、保証会社を使わないため保証料はかかりませんが、融資実行日に融資金額の2.2%~3.3%(税込)の事務手数料がかかります。変動金利型は2026年11月1日現在で年2.400%~3.500%、返済口座を給与振込口座に指定すると全期間1.10%引き下げられます[5]。配偶者がいる場合は配偶者を連帯債務者または連帯保証人とする必要があり、借入期間中に永住許可を受けて銀行に連絡すれば、審査のうえ金利が優遇される場合があります[5]。
スルガ銀行の「外国人のお客さま向け住宅ローン」も、永住許可を受けていない方でも相談できると明記しています。借入時18歳以上70歳未満、最終返済時85歳未満、借入金額30万円以上6億円以内、借入期間は一戸建て1年以上40年以内、マンション1年以上50年以内で、保証人は原則不要です[6]。商品・契約内容の説明を日本語で理解できることが条件で、理解できない場合は融資を断られます。商品概要説明書は日本語・英語・中国語版が用意されており、借入期間中に永住許可を取得して連絡すれば、審査により金利が引き下げられる可能性があります[6]。
三つ目:先に永住許可を取ってから買う。 上の二つが難しい場合は、永住許可の取得を住宅購入より先に置く選択肢があります。出入国在留管理庁の永住許可に関するガイドライン(2026年2月24日改訂)では、原則として引き続き10年以上日本に在留し、そのうち就労資格または居住資格で引き続き5年以上在留していること、納税・公的年金・公的医療保険の保険料の納付義務を履行していることが求められます[7]。特例として、日本人・永住者・特別永住者の配偶者は実体を伴った婚姻生活が3年以上継続し、かつ引き続き1年以上在留していれば足り、高度専門職は70点以上で引き続き3年以上、80点以上で引き続き1年以上とされています[7]。また経過措置として、2027年3月31日までは在留期間「3年」を有する方は「最長の在留期間」の要件を満たすものとして扱われます[7]。
買主にとっての意味
物件より先に、自分の在留資格を確認する。 内見の前に在留カードを確認しましょう。永住許可があれば選べる銀行が最も多く、【フラット35】も利用できます[1]。ない場合は配偶者保証か専用商品に選択肢が絞られ、金利や手数料も一般的な商品とは異なるのが普通です[4][5]。
勤続年数と年収の下限を事前に計算する。 永住権のない方向けの専用商品には、正社員として勤続1年以上、税込年収400万円以上といった明確な下限があります[5]。転職直後や来日直後の方は、しばらく待つ必要が出てきます。
配偶者の連帯保証は軽い話ではない。 配偶者が連帯保証人になるということは、借主が返済できなくなったとき配偶者が全額を負担することを意味します[4]。夫婦で契約内容を理解しておく必要があります。
日本語の理解力も条件になる。 スルガ銀行は商品・契約内容を日本語で理解できることを条件としています[6]。中国語の説明書があっても契約書類は日本語ですので、分からない箇所は仲介会社や銀行に一つずつ確認してください。
【フラット35】は賃貸用には使えない。 本人または親族が居住する住宅に限られます[1]。賃貸目的の購入は投資用ローンの話になり、条件が全く異なります。
購入を計画している方は永住申請をスケジュールに入れる。 ガイドラインの在留年数と、納税・年金の納付記録は早めに整えておく必要があります[7]。
まとめ
日本で住宅ローンを申し込む際の分かれ目は永住許可です。あれば外国籍の方も日本人と同じ条件で、【フラット35】も主要銀行も利用できます[1][2][3][4]。なければ、日本人または永住者の配偶者に連帯保証人になってもらうか、永住権のない外国籍の方向けの専用商品を選び、より高い年収・勤続年数の基準と異なる金利・手数料を受け入れることになります[4][5][6]。各金融機関の条件は随時変わりますので、申込前には必ず最新の商品説明書をご確認ください。大阪での住宅購入をご検討の方は、在留資格と収入状況に合わせて現実的な借入れの選択肢を一緒に整理いたしますので、お気軽にご相談ください。
出典
- 住宅金融支援機構「【フラット35】ご利用条件(2026年4月1日現在)」2026年4月1日(閲覧 2026年11月5日)
- 三菱UFJ銀行「住宅ローン 商品説明書(2026年10月1日現在)」2026年10月1日(閲覧 2026年11月5日)
- 住信SBIネット銀行「住宅ローン(WEB申込コース)お借入れいただける方・商品概要」2026年11月5日(閲覧 2026年11月5日)
- SBI新生銀行「住宅ローン 審査のお申し込み方法および条件(2025年11月17日現在)」2025年11月17日(閲覧 2026年11月5日)
- 東京スター銀行「スター住宅ローン(永住権のない外国籍の方向け)(金利は2026年11月1日現在)」2026年11月1日(閲覧 2026年11月5日)
- スルガ銀行「外国人のお客さま向け住宅ローン(2026年4月30日現在)」2026年4月30日(閲覧 2026年11月5日)
- 出入国在留管理庁「永住許可に関するガイドライン(令和8年2月24日改訂)」2026年2月24日(閲覧 2026年11月5日)
本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、投資・税務・法律上の助言ではありません。数値は末尾の出典の公表時点のものであり、その後変わる可能性があります。個別のご判断は専門家にご相談ください。
