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国交省・既存住宅販売量指数(2026年7月分):大阪府のマンションは168.8、増加分はほぼ30㎡未満

国土交通省が10月30日に公表した2026年7月分の既存住宅販売量指数。全国は132.4(前月比0.2%増)、大阪府のマンションは168.8ですが、30㎡未満を除くと102.3にとどまり、2010年からの増加分はほぼ小型住戸によるものです。購入検討者にとっての意味を整理します。

結論:大阪の中古マンション取引量は2010年比で約7割増、ただし30㎡以上はほぼ横ばい

国土交通省は2026年10月30日、2026年7月分の既存住宅販売量指数(試験運用)を公表しました。全国の戸建住宅・マンション合計の季節調整値は132.4で前月比0.2%増、30㎡未満のマンションを除いた合計は120.8で前月比0.6%増でした[1]。大阪府のマンションは168.8と高い水準ですが、30㎡未満の小型住戸を除くと102.3にとどまります[2]。指数は2010年平均を100としているため、大阪府で個人が購入した中古マンションの登記量は2010年より約7割多い一方、30㎡以上のマンションの取引量はほぼ2010年の水準のままで、増加分はほとんど30㎡未満の小型住戸によるものということになります[2]。

この指数とは何か

既存住宅販売量指数は、国土交通省が不動産登記データをもとに作成している指標です。建物の売買を原因とする所有権移転登記のうち、個人が取得した既存(中古)住宅に当たるものを取り出して指数化し、2010年平均を100としています[3]。別荘、セカンドハウス、投資用物件も含まれており、これらは総務省が5年に1度行う住宅・土地統計調査では把握されないものです。また、個人による30㎡未満のワンルームマンション取得が増えていることから、マンションについては30㎡未満を含む数値と除いた数値の両方が公表されています[2]。指数は2020年4月に試験運用を開始し、2023年4月以降は毎月公表され、各月の数値には季節調整が施されています[3]。

留意点は二つあります。第一に、個人名義の登記だけを集計しており、法人による購入は含まれません。第二に、登記は契約や引き渡しより遅れるのが通常で、しかも7月分が公表されたのは10月30日ですから、見えているのはおよそ三か月前の市場です[1]。

7月分の主な数字

全国では、戸建住宅が132.5で前月比1.1%増、マンションが131.5で前月比0.4%減、30㎡未満を除くマンションが106.1で同じく0.4%減でした[1]。合計の132.4は、2025年10月と2026年1月の138.5を下回りますが、1年前の2025年7月の128.9は上回っています[2]。

全国、近畿地方、京阪神圏、大阪府、東京都の指数と前月比を次の表にまとめます(季節調整値、2010年平均=100)[2]。

地域 合計 合計(30㎡未満のマンション除く) 戸建住宅 マンション マンション(30㎡未満除く)
全国 132.4(+0.2%) 120.8(+0.6%) 132.5(+1.1%) 131.5(−0.4%) 106.1(−0.4%)
近畿地方 131.7(+1.1%) 109.7(−0.5%) 117.1(+1.5%) 147.6(+0.2%) 101.6(−3.0%)
京阪神圏 134.5(+1.2%) 109.0(−0.2%) 114.3(+2.5%) 153.0(+0.1%) 102.9(−3.6%)
大阪府 140.2(+2.4%) 103.3(+0.9%) 104.0(+1.7%) 168.8(+2.6%) 102.3(+1.0%)
東京都 138.5(−4.3%) 108.0(−3.1%) 120.8(−6.3%) 142.6(−4.8%) 103.4(−1.9%)

近畿地方は滋賀・京都・大阪・兵庫・奈良・和歌山、京阪神圏は京都・大阪・兵庫の3府県です[2]。

大阪の特徴:取引量を支えているのは小型住戸

大阪府のマンションは168.8で、国交省が掲載している地域の中では愛知県の173.9に次ぐ水準です。しかし30㎡未満を除くと102.3で、二つの数値の差は全地域の中で最も大きくなっています[2]。比較すると、東京都は142.6に対して103.4、全国は131.5に対して106.1です[2]。つまり、2010年と比べて大阪府で個人が購入した中古マンションの登記量は約7割増えましたが、そのうち30㎡以上の部分はほとんど変わっておらず、増加分は30㎡未満のワンルーム、一般に賃貸向けの投資用物件によるものです[2]。近畿地方と京阪神圏も同じ構図で、マンションの指数は147.6と153.0ですが、小型住戸を除くとそれぞれ101.6と102.9にすぎません[2]。

もう一つ目を引くのが戸建住宅です。大阪府は104.0で、全国の132.5、近畿地方の117.1を下回ります[2]。大阪府で個人が購入した中古戸建の登記量はおおむね2010年の水準のままで、全国の伸びに追いついていません。

全国ベースでも小型住戸の比重は見て取れます。7月のマンションの登記サンプルは15,217件で、30㎡未満を除くと10,496件ですから、個人による中古マンション登記のおよそ3割が30㎡未満の物件です[2]。

前月比では、7月は大阪府の合計が2.4%増、東京都が4.3%減でした[2]。ただし月次指数の振れは大きく、たとえば全国合計は2026年5月が126.1、6月が132.1でしたから、単月の上下を読み込みすぎない方がよいでしょう[2]。

購入検討者にとっての意味

第一に、「大阪の中古マンション取引は活発」という見方は分けて考える必要があります。 活発なのは主に30㎡未満の投資用ワンルームです。自宅やファミリー向けの60〜80㎡の住戸を探している場合、その部分の取引量は2010年からほとんど変わっておらず、選べる物件数や回転の速さは合計の数字が示すほどではありません[2]。

第二に、平均価格や成約件数を見るときは集計の範囲を確認してください。 小型住戸の割合が高いと平均総額は低く、㎡単価は高く出ます。出所の異なる市場データを比べる際は、30㎡未満の物件を含んでいるかどうかを先に確かめないと、大阪の数字は小型住戸に引きずられやすくなります[2]。

第三に、投資用の小型住戸は比較的独立した市場です。 売り手も買い手も投資家が中心で、利回りや金利の変化により敏感です。7月は近畿地方の30㎡未満を除くマンションが3.0%減、京阪神圏が3.6%減だった一方、小型住戸を含む指数は横ばいか小幅増で、二つの市場の動きは一致しないことがあります[2]。

第四に、これは三か月前の登記データです。 構造や趨勢を見るのには向いていますが、いまの値引き余地を判断する材料にはなりません。個別のマンションの直近の相場は、レインズの成約記録や同じ棟の取引事例で確認する必要があります。

まとめ

国交省の2026年7月分既存住宅販売量指数では、全国で個人が購入した既存住宅の登記量は前月比0.2%増、大阪府は2.4%増、東京都は4.3%減でした[1][2]。より重要なのは構造です。大阪府のマンションは168.8、30㎡未満を除くと102.3で、2010年以降の取引量の増加はほぼ投資用の小型住戸によるものであり、実需向けの住戸の取引量は大きく変わっていません[2]。大阪市内で自宅用・ファミリー向けの中古マンションをお探しでしたら、ぜひご相談ください。個別のマンションの成約記録や管理資料をもとに、物件の希少性や価格の妥当性を一緒に整理いたします。

出典

  1. 国土交通省 不動産・建設経済局不動産市場整備課「既存住宅販売量指数 令和8年7月分を公表(試験運用)~全国において、前月比0.2%増加~」2026年10月30日(閲覧 2026年10月31日)
  2. 国土交通省「既存住宅販売量指数(令和8年7月分)報道発表資料(指数の定義、地域別一覧、全国時系列)」2026年10月30日(閲覧 2026年10月31日)
  3. 国土交通省「既存住宅販売量指数(指数の概要・公表スケジュール)」2026年9月30日(閲覧 2026年10月31日)

本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、投資・税務・法律上の助言ではありません。数値は末尾の出典の公表時点のものであり、その後変わる可能性があります。個別のご判断は専門家にご相談ください。

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